タイ文化省が、消滅の危機にある231の郷土レシピに政策の枠組みを与えようとしている。その第一弾となる特別講座「The Lost Taste Special Course」は2026年9月に始まる。代理店にとって読むべきところは料理の数ではない。政府の一部門が、いまほとんど観光商品を持たない県で、新しい食のプロダクトを作り出すと決めた、という点だ。
Explera DMC Thailandは、世界各国の代理店に対して地方タイのファイルの地上側を担うタイDMCだ。IATA 96215733、340社を超える提携代理店、そして b2b@explera.co.th のトレードデスクは、いま予約できるものと、まだ発表にすぎないものを区別して伝える。
実際に発表された内容
事業を進めるのは文化振興局で、名称は「失われた味(The Lost Taste)」。より大きな「生きた遺産(Living Heritage)」という構想の内側に置かれている。都市化によって脅かされているとされる在来の食の知識、調理技術、希少なレシピを集め、国内外の旅行者が購入できる食の体験へと変えることを目指す。
具体的な中身として名前が挙がっているのは二つ。特別講座「The Lost Taste Special Course」は2026年9月に開講する。これと並行して、「5 Series, 5 Restaurants」(5つのシリーズ、5軒のレストラン)と題した販促キャンペーンが走る。地方の県へ食を目的とした旅行を呼び込むことを、明確な狙いとして掲げたものだ。
ここからが但し書きで、そして重要なのはむしろこちらだ。これは開始月の決まった政策の枠組みであって、空き状況のカレンダーを持つ商品ではない。会場の一覧も、運営事業者も、予約経路も、月より細かい日程も、いっさい公表されていない。代理店はこれに備えることはできる。だが、まだ売ることはできないし、クライアントに売れるかのような含みを持たせてもいけない。
レシピの事業が、アクセスの話である理由
これは見出しになるからではなく、契約できる対象が変わるからタイDMCが注視する類いの動きだ。地方タイを売るうえでの制約は、食がつまらないことだったためしがない。制約は常に、受け手の側に契約できるものが何もないことだった。予約を受ける会場がない。十二人分の席を押さえてくれる事業者がいない。開始時刻が決まっていて、そこを軸に行程を組める体験がない。
講座とレストランのシリーズが生み出すのは、まさにそれだ。文化的な意図が何であれ、実務上の産出物はこれまで存在しなかった場所に生まれる、予約可能な単位である。バンコクとチェンマイの外で食を軸にした行程を組んでほしいと代理店から依頼されるたび、欠けているのはこの部分だった。

そしてこれは、今年続いている地方アクセスのニュースの流れから離れたところにあるのではなく、その延長線上にある。地方空港は認証を取得し、誘致のための優遇を与えられている。四か月にわたる国際博覧会が今年11月に東北部で開幕する。ウドンタニの飛行場運営証明と同県の園芸博覧会についての解説を参照してほしい。アクセス、軸となる集客要素、そして今回のプロダクト。県が売れるようになるまでに必要な三つが、そろいはじめている。
存在しないうちに、これをどう使うか
- 見積書には書かないこと。予約できるものは何もない。「The Lost Taste の講座に参加します」と伝えられたクライアントは、まだ運営者すらいないものを売られたことになる。
- ただし、これが刺さるクライアントの開拓は今から始めること。食に関心のあるグループ、フード系メディア、シェフの視察ツアー、そして定番のコースを一通り回り終えたリピーターは、いずれもかなり先まで予約する層だ。これが来ると知っていれば、いま会話を始めて、中身は後から埋められる。
- どの県なのかを聞くこと。代理店にとっての価値は、231のレシピがどこにあるかにすべてかかっている。それによって、すでに販売している行程に組み込めるのか、新しい行程を起こす必要があるのかが決まるからだ。
- 講座ではなく、レストランのシリーズを見ておくこと。公開キャンペーンを背負った五軒のレストランは、省庁の講座に業界向けの窓口ができるより、はるかに早く見つけられて連絡もつくようになる。
- 組み立てる前に再確認すること。政府の文化事業は開始日を動かす。表明されているのは2026年9月だが、実際に何かが販売されるまでは計画として扱っておくこと。
これが育つまでのあいだ、すでに売れるもの
タイの郷土料理は、省庁を待ってなどいない。今日すでにあるものは、誰に聞けばよいかさえ分かっていれば契約できる。料理学校ではなく家庭と組む「市場で買って一緒に作る」一日、個室のテーブルを押さえてくれる地方のレストラン、そして大半の行程が一度もたどり着かないイサーン、南部、北部の郷土の調理だ。当社のツアー・アクティビティ担当はそれを今すでに組んでいるし、多くの代理店の出発点になっているのが東北部イサーンのガイドだ。

クライアントに対して誠実な言い方はこうなる。タイの郷土料理は傑出しているが、まだ整えられていない。その後半を直すために政府の事業が組み立てられつつある。そして当面のあいだ、そこへ届く手段は、該当する家庭やレストランをすでに知っている地上パートナーだ、と。
ここで地上パートナーが担うもの
まだ存在しない事業こそ、タイDMCが手数料に見合う働きをする場面だ。仕事の中身は、それがいつ現実になるかを見きわめることだからである。レストランのシリーズは業界紙に届くより先に当社の目に入るし、講座に実際の予約経路があるのか、それともプレスリリースしかないのかも伝えられる。
その一方で、すでに機能している地方の食のプロダクトに必要なものは、昔から変わらない。料理の名前を言うだけでなく中身を読み解けるガイド、点在する農村部を一日の行程に変える交通、そして作り手に実際に会ったことのある誰か。これはごく普通の旅行代理店向けタイDMCサービスであり、その一日がうまくいくかどうかを決めるのが当社のガイドチームだ。
日程、人数、そしてクライアントが食にどこまで本気なのかを添えて、Explera トレードデスクにブリーフを送ってほしい。タイ料理が付け足しではなく主目的になっている市場に販売しているなら、本稿と合わせてソース市場の解説も読む価値がある。
よくある質問
今、この事業から何か予約できますか。
できません。これは政策の枠組みで、講座の開始が2026年9月と表明され、加えてレストランのキャンペーンがあるという段階です。運営事業者も、予約経路も、月より細かい日程も公表されていません。備えてください。ただし見積には載せないでください。
「The Lost Taste」とは正確には何ですか。
文化省の事業で、文化振興局が運営し、より大きな「生きた遺産(Living Heritage)」構想の内側に置かれています。消滅の危機にある231の郷土レシピを、旅行者が購入できる食の体験として再生し、商品化することが狙いです。地方の県へ食を目的とした旅行を押し出すため、「5 Series, 5 Restaurants」というキャンペーンが並行して走ります。
対象はどの県ですか。
公表されていません。レシピは各地方のもので全国に散らばっていると説明されていますが、県の一覧が出るまでは、すでに販売している行程に組み込めるかどうかを判断できません。当社に聞いていただければ、その時点で表に出ている内容をお伝えします。
この事業が始まる前でも、タイの郷土料理は売れますか。
売れます。そしてこれまでもずっと売れました。手に入らないのではなく、整えられていないだけです。家庭と組む「市場で買って一緒に作る」一日、個室のテーブルを押さえてくれる地方のレストラン、定番のコースから外れた郷土の調理は、関係者を知っている地上パートナーを通せば、いずれも今日から契約できます。
そもそも代理店が文化政策を気にする理由は何ですか。
実務上の産出物が、これまで何もなかった場所に生まれる予約可能な単位だからです。地方タイを売るうえでの障壁は食だったことがありません。障壁は、行程を組む軸になる、開始時刻の決まった何かが存在しないことでした。